ECM Records | ECM 1217 | GER | 1982 | M: NM / NM | JK: VG+
A1: Drain Brain 5:38
A2: Tattooed Lady 3:51
A3: Kidnapped 1:54
A4: Should We, Geanie? 8:02
B1: Unknown Realms (Shirli Sees) 7:21
B2: Poor Child 4:28
B3: Too Much – Not Enough 5:28
ある程度作品のイメージが統一されているECMにおいて、「異端」といわれる数奇なアルバムが何枚かあるのですが、これもその中の1枚なのではないでしょうか。ドイツのサックス奏者 Ulrich P. Lask のプロジェクト Lask による82年リリースの作品。ドラムに Meinolf Bauschulte、ヴォーカルに Maggie Nicols が参加。打ち込みのようなジャストなドラムと狂気をはらんだヴォーカル、時折エスニックなフレーズも飛び出す洗練のサックスによるエレクトロニック・ジャズ/フュージョン。軽快なドラムと捻じれたメロディのサックスのA1「Drain Brain」、レゲエのような裏打ちのリズムによるシンセポップA3「Kidnapped」、ヒステリックなサックスが泣くB1「Unknown Realms (Shirli Sees)」など全7曲。たしかに異質、ではありますが、各一音の鳴りや残響、アンビエンス、そして知性からあふれるユーモアなどには確実にECMの気高さがあります。逆説的にECMだからこそリリースできた1枚なのかもしれません。とはいえCD再発は未だされず。